読んだ後はきっといつもより優しくなれる「泣きたい夜の甘味処」【感想】

疲れた心に甘いお菓子と優しい言葉をくれる
「とにかく優しくてあったかい本」

目次

この本について

著者:中山 有香里
出版社:KADOKAWA

柔らかくて優しいタッチのイラストは、めくるたびに心がほっこりするし、一つ一つのエピソードはとても他人事とは思えない、「まるで自分のこと?」と思えるようなリアリティさ

家事も育児もうまくできない
オマケにお洒落キラキラファミリー満載の
SNSに心が折れそう・・・

仕事で失敗したぁ・・・辛い

結構頑張っているはずなのにいつも何かの「基準」に達していなくて心が折れそうな私達

この本は、そんな心が折れかけそうになった時に救ってくれる「甘いもの」「優しい言葉」がたくさん詰まっています。

読むたびにやさしい気持ちが溢れて、ゆっくりおなかと心が満たされるような、そんな感覚になります。

「熊」と「鮭」が営む「夜の甘味処」

とある町に、ひっそりとたたずむ一軒の甘味処。
熊と鮭が営むこのお店は、夜だけしか営業していません。
提供するのは温かいお茶と、甘いもの一品だけ。
今夜も、疲れて泣きたい人々がこの店に迷い込みます。
引用元:「泣きたい夜の甘味処」より

この本に登場する、夜営業のとある甘味処の店主はユル可愛い「熊」「鮭」

※こんな関係性ではありません(笑)

体躯のおおきなおっとり熊さんと、てきぱき働くしっかりものの鮭さん

この不思議な二人(?)が切り盛りする夜の甘味処でいろいろな思いを抱えたお客さんが、出されたスイーツにそれぞれの思いを馳せながら話が展開してゆきます。

自分に近い「11人の主人公」

登場する「11人の主人公」

この11人の主人公の中にはきっと自分が感情移入できる人物がいるはず。

主人公と同じような境遇になくても、身近にいる自分の家族、同僚、しばらく会っていない昔の友人・・・

もしかしたらあの時、あの人はこうだったのかなぁ?と想像できるような、等身大のストーリーが魅力です。

もくじ
・疲れ果てたビジネスマンと昔ながらのドーナツ
・会社を辞めたOLさんといちご大福
・落ち込んだ新人さんが干し柿を拾う話
・夫を亡くした奥さんと梅酒ゼリー
・私だけのパフェ
・ギャルとばあちゃんとマフィン
・がっちゃんのココアクッキー
・心配性なお母さんとバナナケーキ
・緑のライオンと栗きんとんのパイ
・3人の青春とプリン
・夕暮れのチーズケーキ

引用元:「泣きたい夜の甘味処」より

タイトルがどれもとってもおいしそうで魅力的ですよね^^

また、同じエピソードを違う登場人物の視点から書かれた「another story」も収録されており、主人公の目線とはまた違った感覚で読むことができます。

ひらめいた人

違った視点からのストーリーの広がりも新鮮で面白く読めました!

お菓子のレシピ付き

1つのエピソードに必ず出てくる優しくて美味しそうな「甘いもの」

この本を読んだ後はきっと甘いものが食べたくなっていることでしょう。

そんな書面に登場するスイーツのレシピが料理本のように丁寧に記載されているのも嬉しいポイントです。

ひらめいた人

どのレシピもおうちにあるものですぐに作れそう!

読んだ後はきっといつもより優しくなれる

「あなたは一つ一つのことは丁寧でしっかり確認していて、そこがいいと思うの。」
「比べちゃだめだ、きっとこの人にはこの人の悩みがある。」
「ほんの少し日常に(好き)を混ぜてみよう。それが僕なりの(好き)の続け方なんだ。」

引用元:「泣きたい夜の甘味処」より

11人の主人公は私たちの周りにいる「どこにでもいる人」です。

そのどこにでもいる人のなんでもない日常や悩みを掘り下げることで、「どこにでもいる人」にこれだけのストーリーがあるのだと気づかせてくれます。

普段あまり気にかけないあの人、疎遠になった友人、しばらく連絡を取っていない祖父母・・・

この本を読むとそんな人たちのことをちょっとだけ思い出したくなるかもしれません。

ひらめいた人

誰にでも物語があって悩みがある。
理解しているけれど、ついつい忘れがち

おわりに

いかがでしたか?

本書が気になる方は、筆者さんのツイッターで、こちらの短編の漫画を読むことが出来ます。

なんともいえない美味しそうでほっこりするドーナツの表紙、装丁も美しく、手に取った質感、ずっと大切にしたいなぁと思える本です。

気になる方は店頭で見かけたら是非手に取ってみてくださいね。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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この記事を書いた人

おひとり様カフェ巡り、読書感想など書いてます。

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